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日めくり編集メモ 226

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1958年12月23日、あいにくの曇り空でしたが、高さ333メートルと自立式鉄塔として世界一を誇る東京タワーが正式オープンしました。この日は完工式で、一般公開は翌日24日でした。

東京・芝公園に今もそびえる東京タワーは、各放送局の集約電波塔として計画されました。この土地はもともと増上寺の敷地内で、明治期に政治家・芸術家がサロンとして用いた高級料亭「紅葉亭」の跡地でした。1957年6月に着工、総工費28億円、鋼材4000トンを使用し、赤白のペンキの量は3万4000リットル。設計は内藤多仲で、名古屋テレビ塔やさっぽろテレビ塔も手がけた建築構造学者です。

展望台は当初、地上120メートルの大展望台のみでした。当時の入場料は、大人100円、高校生70円、中学生以下50円。すぐに東京の名所となり、人々が詰め掛けました。1959年には年間で約520万人、同年8月には月間で約71万人という記録が残っています。地上223.55メートルにある特別展望台は1967年オープン。一時落ち込みはありましたが、東京の定番観光名所として定着しています。

来年春開業の東京スカイツリーが何かと話題ですが、歌謡曲や映画のモチーフとしてはこちらのほうが大先輩。かつては「おのぼりさんの行くところ」と言われたこともありましたが、イメージ改革に成功し、すっかりお洒落なスポットに生まれ変わりました。2005年には来塔者が1億5000万人を突破。放送施設としてスカイツリーに取って代わられたとしても、観光施設としてはまだまだ負けられません。

(参考資料:東京タワーオフィシャルホームページ、『60年安保・三池闘争:石原裕次郎の時代:1957?1960』毎日新聞社、SEVENTH SENSE 日本電波塔株式会社(東京タワー)営業部長前田久徳×陣内貴美子

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