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お正月休みに読みたい本、その4/編集部スタッフのオススメ

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そして、編集部スタッフからもオススメを。ジャンルばらばらですが、どれも読んでほしい本(聴いてほしいCD)です。(n)

『世界が決壊するまえに言葉を紡ぐ』中島岳志×星野智幸、大澤信亮、重松清、開沼博(金曜日)

 
 
今月発売されたばかりの、中島岳志さんの対談集。中島さんがこだわり続けている秋葉原事件について、そして「脱原発」のうねりについて…。中島さんと、対談相手として登場する4名に共通するのは、ものごとを単純化したり、決めつけで切って捨てたりしないこと、のような気がします。「善か悪か」の二元論とは対極にある対話の流れは、ある意味ではもどかしく感じられるかもしれないけれど、「これは悪いもの(人)だから」と切り捨てる前に、真摯に言葉を紡ぐ、そしてぶつけ合う。そこからしか見えてこないものは、必ずあると思うのです。
 
 
『南アフリカらしい時間』植田智加子(海鳴社)
ちょっと唐突ですが、大好きな一冊なので。昨年、ワールドカップ開催の地となった南アフリカですが、そこでどんな人たちが、どんな暮らしを営んでいるのかについては、あまり注目されることがなかったような印象です。本書は、かつてネルソン・マンデラの治療を担当したこともある日本人鍼灸師が、シングルマザーとなって南アで鍼灸院を営んでいたときの日々を中心に描いたエッセイ集。海外暮らしを描いたエッセイ集はあまたあるけれど、その国やそこに暮らす人たちがこれほど身近に、そして愛おしく思える本はなかなかない。一方で、人々の日常にそこかしこで顔を出すアパルトヘイトの傷跡にも、はっとさせられます。
 
 
『キセキの渚』ソウル・フラワー・ユニオン
読みたい本でも見たいDVDでもなくて聞きたいアルバム、ですが…。雨宮処凛さんとの対談にも登場いただいたミュージシャン、中川敬さん率いるソウル・フラワー・ユニオンの最新ミニアルバム。3・11の後、何度も東北の被災地を訪れ、そこに音楽を届けてきたソウル・フラワーのメンバーたち。いまこの瞬間にも、「何度もはね返す/しつこくよみがえる(「キセキの渚」より)」ために闘ってる人たちが大勢いる。そのことを忘れたくない。

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