2月12日投開票の沖縄県宜野湾市長選挙を前に、沖縄防衛局が、有権者の親族がいる職員のリストを作成し、さらに真部朗局長が職員に「講話」していたことが発覚しました。政府は火消しに躍起です。
米軍普天間基地を抱える宜野湾市の市長選挙には、元市長の伊波洋一氏(無所属、社民、共産、社大推薦)と県議の佐喜真淳氏(無所属、自民、公明推薦)が立候補を表明しており、2人の一騎打ちとなる公算が大です。この結果が普天間返還・移設に与える影響は大きく、この6月の沖縄県議選とともに、地元はもとより日米両政府など各方面からたいへん注目されています。
ここで自分たちの仕事に有利な候補に勝たせたいと思ったのかもしれませんが、有権者リスト作成や局長講話の案が出た時点で、「それは公職選挙法違反だからまずい」と局内で止めようとする人はいなかったのでしょうか。今回だけでなく、2010年の名護市の選挙でも同様の講話が行われていたほか、過去の知事選や住民投票でも防衛局の介入が常習化していたということです。
信じがたいのは藤村修官房長官が「逆にいいことかも」と発言したことです。たとえ候補名を挙げなくとも、沖縄防衛局長という立場の人が「講話」を行った時点で「あうんの呼吸」が働いていたと考えるべきでしょう。一部では「防衛局長更迭へ」と報じられていますが、沖縄防衛局だけでなく防衛省の関与も疑われるところ。トカゲのしっぽ切りではなく、徹底した真相究明が必要でしょう。