12日に投開票が行われた沖縄県宜野湾市長選挙は保革一騎打ちとなりましたが、佐喜真淳さんが伊波洋一さんを抑えて激戦を制しました。その差、わずか900票。得票率は51%対49%という接戦でした。
この選挙は、伊波さんの県知事選出馬後の後継者だった安里猛さんの病気辞任によるものでしたが、折も折、米海兵隊のグアム移転と同市内にある普天間基地の移設が分離されると発表があり、基地固定化の恐れが出てきた中で行われました。さらに沖縄防衛局長の「講話」問題も発覚、「米、辺野古断念」の報道もある中での、各方面から注目された選挙となりました。
保守系の佐喜真さんの当選で、中央政界や防衛官僚には「与し易し」と考えている向きもあるようですが、佐喜真さんも伊波さんも、ともに普天間基地の県外移設を掲げていたことは重要です。日米両政府は「普天間ノー」という市民の意思を強く受け止めなくてはなりません。佐喜真さんは、仲井真県知事とも連携して普天間基地固定化の阻止に働いていただきたいものです。
惜敗した伊波さんは、これで県知事選に続き連敗となってしまいました。宜野湾市での革新系候補の落選は27年ぶりのこと。エース級の伊波さんで敗れた革新系には大打撃です。基地問題での対応で保革がほぼ足並みを揃える現在、選挙戦術や公約、その訴求方法について真摯な反省が必要です。一から出直さなくては、革新系の県政奪回は遠のくばかりになってしまいます。