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日めくり編集メモ 261

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名鉄名古屋駅から犬山まで快速特急、特急で25分。そこからバスに揺られて約20分。明治時代の建築物を移設・復元した野外博物館「明治村」は、1965318日に開村しました。

明治村の構想は、国立近代美術館などで知られる建築家の谷口吉郎と、旧制第四高等学校同窓の名鉄会長・土川元夫が、戦後の経済成長に伴って姿を消していく明治の建築物を惜しみ、保存を図ろうと立ち上がったことから始まります。1962年にそのための財団を設立し、名鉄が基金、用地を拠出、寄付したのです。開村当時は札幌電話交換局、京都聖ヨハネ教会堂などの建物や、電車等の施設物15谷口は明治村初代村長となりました。

 

その後、博物館の敷地も当初の2倍近くの100万平方メートルに。件数も増えて現在では67件となり、重要文化財は10件を超えています。呉服(くれは)座のような江戸時代以来の木造建築から、札幌電話交換局に代表される石造、あるいは煉瓦造の洋風建築、さらにライト設計で名高い帝国ホテル中央玄関といった近代建築まで。あまりに広大な村内に、どこから見学したらよいのか分からなくなりますが、ガイド付きで鑑賞することもできます。

 

この明治村によって、建築物が文化遺産であることが周知されたと言っても過言ではないでしょう。札幌市厚別区の「北海道開拓の村」や、東京都小金井市の「江戸東京たてもの園」など、歴史的建造物を移設した野外博物館のはしりでもあります。さて、明治期のものは一部ではありますがこのように保存の動きがありました。振り返って、現存する大正・昭和期の建築物の状況はまさに風前の灯。まことにお寒いとしか言いようがありません。

(参考資料:博物館明治村ホームページ

 

 明治村では“明治145年”にあたる今年を記念して、318ら「明治145年記念入村券」を1000枚限定で販売するとのことです。

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