マガ9editor's room

マガ9編集部発の情報やスタッフが書いたコラムを随時お届けします。

日めくり編集メモ 289

| トラックバック(0)

東京電力の社外取締役との兼職が批判されていた、NHK経営委員長の数土文夫氏は24日、経営委員長と経営委員を辞任し、東電の役職に専念すると表明しました。

NHK経営委員会は放送法に基づくもので、経営の基本方針や内部統制に関する体制の整備などの重要な事項を決議する機関として設けられています。NHK会長などの任免権もあり、言わばNHKの最高意思決定機関。衆参両院の同意を得て、内閣総理大臣から任命された委員によって、定例会は原則月に2回開かれます。

過去には、当時の安倍首相との関係を指摘されながら委員長に就任した古森重隆氏や、委員会の席上NHK番組の視聴を法律で義務付けることを提案した安田喜憲氏など、その資質に疑問符がつく人も。しかし、経営委員には高額の報酬が支払われます。報酬支給基準によれば、非常勤の委員でも年間500万円以上です。

未だに収束しない東電福島第一原発事故や電気料金の値上げなど、取材対象として厳しい目を向けなくてはならない東電の経営陣に、NHKの経営トップがいるというのは、報道機関の中立性の観点からも甚だ疑問。たとえ制度的に問題がないとしても、NHKの報道姿勢自体に疑惑を招く今回のゴタゴタだったと言えるでしょう。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://daily.magazine9.jp/mt/mt-tb.cgi/766