東日本大震災の被災地である、岩手県陸前高田市と宮城県石巻市の子供たちの書を展示した「子どもたちの心の音」が、東京都調布市で9月2日まで開かれています(月・火・水曜日と8月12日から16日は休館)。
新宿から京王線でほぼ30分ほどにある仙川。コンクリート打ちっぱなしが目立つ東京アートミュージアムでこの展覧会は開催中です。震災以降、自分の気持ちを伝えることが難しくなった子どもたちに、心の思いをありのままに「書」にしてもらうことで、彼らの心を少しでも安らかにするとともに、その心を知ることで、震災の記憶の風化を防ごうという趣旨があります。
中心としてこの展覧会にかかわっているのは、名古屋を拠点にタレント活動する矢野きよ実さん。霄花(しょうか)の雅号を持つ書家でもあります。震災直後に日本の硯のシェア90%と誇る石巻市雄勝に入り、そこで瓦礫の中から出てきた傷だらけの硯と出逢ったとのこと。以来、毎月のように石巻市と陸前高田市に通い、当地の子どもたちと一緒に書を書いています。
子どもの書ですから一見稚拙ですが、彼らの心がストレートに伝わってくるものばかりです。「負けない」「仲間」「あの時を忘れない」「一本松」「大好きな家族」「むねをはって歩こう」…。見ているこちらが勇気をもらってしまうほどです。地元の石巻、気仙沼のほか城南、豊橋の4信用金庫が後援。地域密着ならではの信金ネットワークが、素敵な花を咲かせました。
※ 入場料:一般300円、大高生200円、小中生100円。この展覧会の入場料は、全額義援金として被災地の子どもたちの活動に寄付します。