明日8月27日は『ウルトラマン』のムラマツ隊長や、『仮面ライダー』の立花藤兵衛役、さらにジョン・ウェインの声優で知られた小林昭二さんの17回忌です。
小林さんは1930年、東京生まれ。日本大学芸術学部在学中に俳優座養成所2期生となり、同期には小沢昭一さんや土屋嘉男さんがいます。1952年、新東宝の『殺人容疑者』で映画デビュー。1966年、円谷プロ制作の『ウルトラQ』第19話「2020年の挑戦」で演じた自衛官役が好評で、『ウルトラマン』の隊長役につながりました。
小林さんは、子ども向け番組だからといって手を抜くことはありませんでした。その真摯な姿勢によって『仮面ライダー』の立花藤兵衛役に抜擢されたのです。「おやっさん」と呼ばれた役の通り、若い共演者から信頼を集めました。また声優としてはジョン・ウェインを多く務めたように、骨太さ、誠実さが滲み出る声を持っていました。
時代劇・現代劇でも、小市民、悪党、刑事、侍、忍者など何でもござれのバイプレイヤーとして活躍し、市川崑監督の金田一耕助シリーズの映画には全作に出演するなど、演技力も確か。1996年、65歳の若さで死去。同年の『八つ墓村』が遺作となりました。 葬儀には歴代ライダーを演じた俳優も駆けつけ、その冥福を祈りました。
(参考資料:『日本映画人名事典 男優編〈上巻〉』キネマ旬報社、とり・みき&吹替愛好会『吹替映画大事典』三一書房)