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日めくり編集メモ 342

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日本最西端の島、与那国島が自衛隊基地建設をめぐって揺れています。問題打開のため、民意を問う住民投票の条例制定を直接請求しましたが、議会がこれを否決。島が二分されかねない状況です。

与那国町議会は住民投票条例案を賛成2、反対3の反対多数で否決しました。その差、わずか1。住民団体は、町内有権者の45%に当たる544人分の有効署名を集め、自衛隊誘致派である外間守吉町長も住民投票には賛成していたのですが、実現できませんでした。署名簿の閲覧の際に署名簿の複写の一部が流出するという町選管の管理体制の不備も指摘されています。

今回もそうですが、原発都民(大阪市民)投票条例案のときも、これに反対する議員は 「議会の果たす役割が否定される」「住民投票は議会制民主主義の破壊につながる」などといった理由を述べました。しかし、住民投票は地方自治法第74条で認められた住民の権利。ワンイシューでの住民投票と、さまざまな問題を勘案しての選挙での投票は並立されるべきでしょう。

誘致派の議員は、町議会が自衛隊の誘致を決議した際、514人分の賛成署名の存在を論拠にしていましたが、今回はそれを上回る数の有効署名がありました。この民意を無視して自衛隊基地の建設が進めば、小さな島に大きな禍根を残すことになりかねません。住民団体は、来月にも反対した議員のリコール手続きに入る予定で、住民訴訟も視野に入れるとのことです。

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