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日めくり編集メモ 350

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尖閣諸島をめぐって日中関係に緊張が続く中、日米両政府が離島奪還の軍事訓練の実施に向け調整中との報道がありました。しかもその演習場所は、東シナ海に浮かぶ沖縄の無人島です。

報道によると、奪還訓練は11月5日から16日まで予定している日米共同統合演習の一環で、その後半に沖縄県渡名喜村の入砂島(いりすなじま)で行われるとのこと。現在ここは無人島ですが、戦前は御嶽や畑もあり近海はカツオの漁場でした。沖縄戦後から米軍の射爆撃場として島全体が使用されています。

9月の同訓練はに米グアム島で行われました。今春から計画されていたと言いますが、今回の訓練場所は日中が対峙する東シナ海の小島。中国のさらなる反発は必至で、対抗措置をとるでしょう。このままエスカレートすれば武力衝突の危険性は増大する一方。この時期にこの場所でなぜ、と疑問が湧きます。

入砂島の訓練域外で在沖米海兵隊の模擬爆弾片が散乱してサンゴ礁を傷つけた事故が9月にあったばかりで、渡名喜村議会はこうした事故の再発防止を再三日米両政府に求めてきました。しかし、この訓練についても寝耳に水。いきり立つ国同士の狭間で置いてきぼりにされるのは、常に最前線に住む人々です。

(参考資料:『角川日本地名大辞典47 沖縄県』角川書店、「渡名喜島近海に金属破片 米軍機の部品落下か」沖縄タイムス2012年9月8日付)

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