石原慎太郎東京都知事が辞職を発表しました。新党結成や国政復帰を会見で述べていましたが、突然の投げ出しは無責任のそしりを免れません。
これまでも「石原新党」の噂は、出ては消えるばかりでしたが、石原氏ももう80歳。健康問題も抱え、最後のチャンスと思ったのかもしれません。平沼赳夫代表の「たちあがれ日本」と合流し新党をつくるとのことですが、もはや清新さは全くなく、橋下大阪市長率いる「日本維新の会」との連携が頼みの綱なのでしょう。
しかし、立つ鳥後を濁しまくったような石原氏です。全く盛り上がらない五輪招致に莫大なカネを掛け、教育を統制化し、漫画表現の自由を規制し、福祉制度を貧しくさせ、都立病院を潰し、豊洲への市場移転や外環道の建設を進め…。さらに「津波は天罰」「ババアは害悪」などの暴言は枚挙に暇がないほどです。
何よりも石原氏の購入発言を機に火が着いてしまった尖閣諸島問題の責任は重大です。日中間の交流や貿易の損失はどれほどになるでしょうか。まさに国益を損なったはずですが、この会見でも記者の質問は政局ばかりで、その点や都政についての質問など皆無。彼をのさばらせてきたのはメディアでもあるのです。