社会派の劇作家として知られる坂手洋二さんが主宰する劇団「燐光群」の新作『星の息子』がもうすぐ上演されます。取り上げた題材は、沖縄・高江でヘリパッド建設に反対する人々です。
坂手さんは1962年岡山県生まれ。山崎哲さんの劇団「転位・21」を経て1983年に劇団「燐光群」を旗揚げしました。1991年『ブレスレス』で岸田國士戯曲賞、1999年『天皇と接吻』で読売演劇大賞、2003年『屋根裏』で読売文学賞、2005年『だるまさんがころんだ』で鶴屋南北戯曲賞、朝日舞台芸術賞を受賞するなど、人気の劇作家です。
高江を取り上げた舞台としては、伊丹、東京に続いてこの6日に沖縄・北谷でも上演された朗読劇『私(わん)の村から戦争が始まる』があります。今回の『星の息子』は、ベテラン女優の渡辺美佐子さんや円城寺あやさんが参加し、「『天皇と接吻』『沖縄ミルクプラントの最后』につづく、『戦後史』と『今』の集大成」と謳っています。
高江の現地では人手が足りず、いつの間にか現場に作業員が入って工事が進められているようです。歯がゆいことしきりですが、では劇作家や俳優に何が出来るか。それはやはり「舞台をつくる」ことで行動すべきなのでしょう。坂手さんは「これは、『書きたい劇』であると同時に、『書かなければならない劇』である」と語っています。
※『星の息子』東京公演:座・高円寺1 11月16日(金)〜28日(水)/名古屋公演:愛知県芸術劇場小ホール 12月15日(土)、16日(日)/岡山公演:岡山市立市民文化ホール 12月18日(火)/伊丹公演:AI・HALL 12月20日(木)〜22日(土)