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日めくり編集メモ 364

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衆議院が解散され、12月16日投票の選挙戦が事実上スタートしました。しかし待ってください。1票の格差を放置したままの選挙は許されるのでしょうか。

衆議院の1票の格差の問題は、マガ9「立憲政治の道しるべ」で南部義典さんも指摘している通り、憲法が規定する平等原則に違反しています。その中で代表者を選出していることは、国権の最高機関とされる国会の会派構成が不正、即ち統治の正当性自体が問われているのです。

この格差を限りなく等価値に是正することが責務であるはずの国会は政局に明け暮れ、定数是正を正面から議論してきませんでした。定数を減らせばいいと言わんばかりの「0増5減」案は、最高裁が見直しを指摘した「一人別枠方式」を温存したもので、アリバイづくりでしかありません。

アリバイづくりで立法措置を講じたとしても、これで最高裁の要請に応えたことにはなりません。なぜなら今度の選挙は定数配分が“違憲”のまま行われるからです。ここまでくると、この選挙に対して裁判所が「違憲、選挙無効」判決を出すくらいでないと、誰もその問題を直視しないでしょう。

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