マガ9editor's room

マガ9編集部発の情報やスタッフが書いたコラムを随時お届けします。

日めくり編集メモ 366

| トラックバック(0)

漫画家さかもと未明さんが発表したコラムは依然反響を巻き起こしていますが、その論の是非はともかく、「本音」をあからさまに語ることについて考えさせられました。

このコラムは「再生JALの心意気」と題し、飛行機内で乳児が泣き続けたことに閉口した自身の体験を綴ったもの。これに怒って着陸態勢時にもかかわらずシートベルトを外し通路を走るなど、さかもとさんのエキセントリックな行動もあって注目を集めましたが、これを搭乗マナーの問題提起と位置づけるのはいかがでしょうか。むしろただの私憤でしょう。

こうした「本音」を正直に語ることは、「建前」との兼ね合いからかつては控えられていたと思います。ミッキー安川さんなどが毒舌タレントといわれていましたが、MANZAIブームでビートたけしさんたちが出てきた頃から、「建前」ではなく「本音」が大手を振って歩き始めました。いつしか「建前」は欺瞞であり、「本音」こそが正しいという風潮が蔓延しています。


「建前」と「本音」は表裏一体のはずですが、いつの間にか一方が暴走しているように感じざるを得ません。この傾向はツイッターなどのSNSなどインターネット上で、さらに勢いを増しています。面と向かっては言えないような差別的な言辞がネット上に溢れていることはご承知の通りですが、これを「本音」の跳梁と結びつけるのは牽強付会でしょうか。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://daily.magazine9.jp/mt/mt-tb.cgi/957