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日めくり編集メモ 369

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「故郷」のほか、「朧月夜」「春の小川」「紅葉」などの唱歌を作詞したことで知られる高野辰之の生涯を振り返る展覧会『唱歌斉唱』が、仙台市で12月1日から開催されます。

高野は1876年生まれ。生家は長野県の豪農でした。家業の手伝いをするかたわら、土蔵に隠れて本をむさぼり読むという向学の志にあふれた少年でした。代用教員を経て長野県尋常師範学校(現信州大学教育学部)に入学した頃から、1000首あまりの和歌を作っていたといわれます。1899年に上京し、東京帝国大学で上田萬年に師事、国文学の研究に勤しみます。

1910年、東京音楽学校教授に就任。国が初めて発行した国定音楽教科書「尋常小学唱歌」を編纂する一方で、作曲家岡野貞一とのコンビで「春が来た」「紅葉」「朧月夜」などの唱歌を作詞しました。また、各地の学校校歌を多く作詞し、今回の展覧会の共催である専修大学の校歌も高野の作品です。国文学者としても1925年に『日本歌謡史』で文学博士となりました。

作詞だけでなく、文学、演劇、邦楽などの研究でも第一人者だった高野。東京音楽学校の邦楽科創設は彼の尽力と言われています。没後、生地の長野県中野市には記念館が造られました。その近くでは今でも「故郷」の原風景が見られるとのことです。震災後、「故郷」が多く歌われたのは、美しい旋律とともに、懐旧の念と詩情が溢れる詞に彩られた名曲だからでしょう。
(参考資料:高野辰之記念館ホームページ野沢温泉 おぼろ月夜の館 斑山文庫ホームページ


※ 石巻市・専修大学・石巻専修大学共同企画展『唱歌斉唱 「故郷」の作詞者・高野辰之の生涯』は、12月1日から16日まで(12日休館)、仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)5階展示室で。問い合わせ先は専修大学大学史資料課=03-3265-5879。

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