マガ9editor's room

マガ9編集部発の情報やスタッフが書いたコラムを随時お届けします。

日めくり編集メモ 372

| トラックバック(0)

放送や新聞で大きく取り上げられたのでご存じの方は多いでしょうが、歌舞伎役者の中村勘三郎さんの訃報に、ゆかりの土地に悲しみが広がっています。

勘三郎さんが発案者の一人である、1985年から始まった香川県琴平町の「四国こんぴら歌舞伎大芝居」。国の重要文化財である旧金毘羅大芝居(金丸座)を実際の舞台に使うということもあって大変だったようですが、地元の人々の熱意が実を結び、今や大きな観光資源です。勘三郎さんもここに5回登場しています。

公演で訪れた長野県松本市も勘三郎さんにゆかりの土地。盟友の劇作家・串田和美さんがまつもと市民芸術館芸術監督を務めている縁もあって公演を重ね、今年7月に、8カ月ぶりに舞台復帰したのはこの劇場でした。その際に観客席から湧き上がった「勘三郎さん、頑張れ」コールに感激の様子だったということです。

勘三郎さん、というより自身が1959年から46年間名乗った「勘九郎」の名前のほうが馴染み深い方もいらっしゃるかも。しかしその名前も長男が襲名し、現在京都・南座で襲名興行の真っ最中です。父の死に直面しても気丈に舞台を勤める勘九郎・七之助兄弟に、惜しみない拍手が降り注いでいます。「頑張れ、中村屋ッ!」
(参考資料:「琴平町民、大芝居の恩人悼む」四国新聞2012年12月6日付「『松本に帰る』誓いも… 関係者ら驚きと悲しみ」毎日新聞長野版2012年12月6日付

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://daily.magazine9.jp/mt/mt-tb.cgi/964