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日めくり編集メモ 376

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いよいよ今日は衆議院議員選挙の投票日です。自分の貴重な1票を必ず行使しましょう。そして、これと同時に行われる最高裁判所裁判官国民審査にも注目が求められています。

この国民審査は、憲法79条に規定されている制度です。やめさせたい裁判官の名前の上に×印をつけ、それ以外は何もしないという投票方式ですが、何もしなければ「信任」となってしまうため、今まで罷免もなく、形式的過ぎるとして廃止論が唱えられてきました。本来であれば、衆議院選挙と同じくらいの量や時間を割いてメディアは審査を受ける裁判官の情報を公表すべきなのです。

このように制度に問題があるとはいえ、立法・行政に並ぶ三権の1つである司法に国民が直接関わることができる重要なものです。この制度以外で最高裁裁判官が罷免されるのは「心身の故障」と「公の弾劾」のみ。また、審査される当の裁判官は自分につけられる×印の数を相当気にしているとのことです。言わば、その×票こそが、己が下してきた判断に対する「民意」なのですから。

それでも、あまりにも情報が少なくて判断がつかない、という場合は「棄権」という手段も。先述の通り、何も書かないままでは「信任」になってしまいます。そこで、立会人に申し出れば棄権することができ、投票総数に対する信任票の割合を下げることができます。とはいえ、折角のこの制度、このようなサイトもありますので、投票所に足を運ぶ前にご覧になって権利を行使してください。
(参考資料:西川伸一の政治時評「最高裁裁判官国民審査は確かに形式的だが民主的な司法を支える重要な制度だ」週刊金曜日2012年12月14日号)

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