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日めくり編集メモ 378

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衆議院選挙の余韻も覚めやらぬ18日、沖縄防衛局は突如、米軍普天間基地辺野古移設に向けた環境アセスメントを補正した評価書を沖縄県に提出しました。

県はこれを受理しましたので、今後は仲井眞知事に対する公有水面の埋め立て申請の提出に焦点は移りますが、不意を突かれた県民の態度はますます硬化するでしょう。ましてや、オスプレイ配備を隠し、環境破壊を不当に低く見積もるような問題点が解決されたわけでもなく、環境を守る実効性には疑問符が付いたままです。この提出で既成事実化を図り、移設をごり押しすることは許されません。

そもそも前回提出された評価書は不備だらけで、知事が提出した疑問点は579件にも上りました。知事意見を検討するため防衛省が設置した有識者検討会でさえ「抽象的表現が多い」として見直しを求める最終報告書を同省に提出したほど。それから僅か1週間での補正で文言は変わりましたが、ならばこそ「影響が小さい」「影響がほとんどない」としていた前回の評価書は一体何だったのでしょうか。

新政権発足直前のタイミングでの提出は、姑息としか言いようがありません。折しも、日本郵政の社長もこのタイミングで交代するなど、官僚の画策か、政権移行の谷間で滑り込み的に行われる動きが続出しています。自民党の石破幹事長は「政権移行期に重要人事を行うのは断じて許されない」と激怒したそうですが、このアセス評価書提出にはどのような感想をお持ちか、聞いてみたいものです。

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