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日めくり編集メモ 385

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安倍内閣発足直後の昨年12月28日、文部科学省は高校授業料無償化を朝鮮学校に適用しないと発表しました。この措置は、教育の機会を確保する無償化の趣旨に反するばかりか、尊重されるべき学ぶ権利を蔑ろにするものです。

下村博文文科相は同日の記者会見で適用しない理由について、拉致問題の進展がないことと、朝鮮学校と朝鮮総連との密接な関係を挙げました。しかし、北朝鮮の姿勢がどうあれそのペナルティを朝鮮学校に負わせることは筋違いでしょう。無償化の審査基準を作った専門家検討会議も、適用を「外交上の配慮などにより判断すべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべきもの」 としています。

そもそも2010年からの高校無償化政策は、高校・大学までの段階的な無償化を定めた国連人権A規約(13条2項b、c)という国際的要請からです。しかも本来この無償化の対象は「学校」ではなく「生徒」であるはず。国籍に拘らず国内に居住する全ての子どもの教育の機会を確保することは国としての責務であり、朝鮮学校にとどまらず各種学校扱いのブラジル人学校などにも、この政策は適用されるべきです。

日本で生まれ、日本でこれからも生活していく在日韓国・朝鮮人の子どもたちに「自分たちは差別された」という意識を植え付けるだけのこの不適用は、将来にわたって禍根を残します。そして、こうした強硬策を拉致被害者家族が支持していることも気になります。2002年の5人帰国以来、ずっと採り続けていた強硬策で何ひとつ進展のないまま10年以上が経ちました。なおも同じ策を続けようというのでしょうか。
(参考資料:金明秀「朝鮮学校『無償化』除外問題Q&A」SYNODOS JOURNAL「『高校無償化』問題に関わる全国の弁護士会・会長声明」民族教育の未来を考えるネットワーク広島

※現在、この問題に関してのパブリックコメントを受け付けています(1月26日まで)。「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則の一部を改正する省令案の概要」

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