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日めくり編集メモ 390

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人気漫画家・手塚治虫が描き、自らアニメーション化した『鉄腕アトム』が、日本初のテレビアニメとして放送されてから、今年で50年。これを記念した催しが、アニメスタジオの多くある東京・練馬区で開かれます。

東映動画(現・東映アニメーション)が、製作所を新宿区から練馬区東大泉に移転したのは1957年。当時はまだ田園地帯が広がる長閑な地だったそ うです。その翌年から手塚はその嘱託となり、劇場長編アニメ『西遊記』(1960年)の構成、『アラビアンナイト・シンドバッドの冒険』(1962年)の脚本を務めました。一方、自身のスタジオ「虫プロダクション」を1961年に同区内に設立し、1963年1月1日、『鉄腕アトム』をテレビ電波に乗せたのです。

練馬区立石神井公園ふるさと文化館では3月24日まで、特別展「鉄腕アトム放送50周年記念 アトムが飛んだ日」が開催されます(月曜休館)。展覧会では、『鉄腕アトム』の原作マンガの手塚肉筆原稿や、セル画、絵コンテなどの関連資料、さらに手塚が幼少期、アニメに 目覚めるきっかけとなった父愛用の家庭用小型映写機「パテー・ベビー」を展示しています。また、長男眞さんや、アニメ監督の高橋良輔さんによる講演会も開かれます。

これに遅れること約1年、東映動画もテレビアニメを製作しました。タイトルは『狼少年ケン』。ヒマラヤを望むジャングルを舞台に、狼に育てられた少年が双子の狼たちとの友情や冒険を繰り広げる物語でした。東映アニメーション内にある「東映アニメーションギャラリー」では、2月24日まで「日本アニメの原点 東映動画の創世記!!」展が、そして3月からはテレビアニメの歴史を辿る「ギャラリー開設10年記念 テレビアニメ50年展」を開催予定です。
(参考資料:山口且訓・渡辺泰『日本アニメーション映画史』有文社、手塚治虫『ぼくはマンガ家』大和書房)

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