昨年11月20日、沖縄学の発展と沖縄文化研究に一生を尽くした外間守善(ほかま・しゅぜん)さんが87歳で亡くなりました。悼むゆかりの人々によって「外間守善氏を偲ぶ会」が2月1日、那覇市で開かれます。
外間さんは1924年、那覇市西町に生まれました。この地はかつて新しい文明・文化の入ってくる港町でした。しかしその青春を沖縄戦が奪います。沖縄師範学校在学中に動員され、激戦地の前田高地で従軍、九死に一生を得ますが、疎開船の対馬丸で最愛の妹を亡くしました。戦後に上京、國學院大學文学部国文学科、東京大学文学部言語学科を経て、東京で沖縄文学・文化研究の道へ進みます。
琉球の古い歌謡を集めた『おもろさうし』は16世紀から17世紀にかけて首里の王府が編んだものですが、外間さんはこの研究の第一人者でした。また、口承の神歌を集めた『南島歌謡大成』の編纂にも尽力。沖縄のアイデンティティーを問い続け、法政大学沖縄文化研究所の創設に大きな力を注ぐなど精力的に活動しました。また、剛柔流空手八段をはじめ武道に精通し、まさに「文武両道」の人でした。
今回の偲ぶ会は、外間さんの沖縄戦以来の友人である大田昌秀元沖縄県知事や作家の大城立裕さんなど、ゆかりの人約170人が発起人となり開催されます。当日は一般献花に先立ち、人間国宝・照喜名朝一さんらによる歌・三線と、玉城秀子さんらによる踊りで、琉球芸能「浜千鳥」の上演も。その後生前の業績を辿る映像上映などで故人を偲び、外間さんの“目指したもの”に思いを馳せます。
(参考資料:上原孝三「外間守善先生を偲ぶ会に寄せて」琉球新報2013年1月28日付)
※偲ぶ会は、2月1日14時から17時まで那覇市のパシフィックホテル沖縄で。受付開始13時30分。会費無料。問い合わせは実行委員会事務局(沖縄県立芸術大学附属研究所波照間永吉研究室=電話098(887)2652=へ。