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日めくり編集メモ 399

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2月9日、コリアンタウンといわれる東京・新大久保で、レイシストのネット右翼によるヘイト・デモが行われました。これ自体恥ずべきものですが、一方、一般市民などに対しての彼らの嫌がらせを防ぐ動きがありました。

この日のデモを筆者はツイッターやネット中継で見ましたが、本当に酷いものでした。「殺せ」と連呼し、下劣な表現で韓国・朝鮮を貶めるレイシスト。まさに言葉の暴力でした。竹島などの日韓間の問題で韓国大使館に抗議するというのならまだ分かります。しかし、その品のなさは耐え難いほどで、目に入るものすべてが気に入らないという、子ども以下の罵詈雑言に終始するものでした。

新大久保で何度か行われているこの手のデモですが、その前後に参加者が、近隣の店舗や通行人に対して暴言を吐いたり嫌がらせをしたり、ときには暴行を働くことがありました。ツイッターなどで呼びかけられた「レイシストをしばき隊」は、それらの行動を防ぎ、もし起きそうになったら逸早く止めることが目的。多くの人がこれに加わり、商店街に彼らを入れさせないことに成功したそうです。

それにしても、この醜悪なデモをどう考えればよいのでしょう。デモは憲法21条に規定される「表現の自由」です。しかし、その内容たるや正視できないほどのヘイト・デモ。欧州ではヘイトスピーチを禁ずる法律がありますが、日本では整備が遅れています。ネット上の「殺す」という書き込みで逮捕される時代なのに、あの行動が許されていることは、私たちの無意識の反映なのかも知れません。

※ 「レイシストをしばき隊」は10日、17日に行われるデモにも“出動”するそうです。

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