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日めくり編集メモ 401

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尖閣問題などをめぐり中国との関係が悪化する中、まるで戦争を心待ちにしているかのような週刊誌の見出し。第2次大戦前、国民の戦意を煽ったメディアを思わずにはいられません。

『平和ニッポンが知らない「レーダー照射」恐るべき背景 事態は冷戦を越えた! 中国人9割は「日本と戦争」「東京空爆」』(週刊新潮)、『これが真相だ! 中国からの「宣戦布告」』『メア元国務省日本部長 「日本よ、アメリカと共に戦おう!」』(週刊文春)…これではまるで、1937年日中戦争時のスローガン「暴支膺懲(ぼうしようちょう)」。恐怖と嫌悪を煽って部数を伸ばそうとするさもしさが見えるようです。

メディアと戦争の共依存関係は洋の東西を問いません。1898年、読者数の拡大を目指す新聞がセンセーショナルな捏造報道を行い、米西戦争の発端を作ります。また、日本では1904年の日露戦争開戦前から新聞の報道合戦となり、大勝利ばかりが伝えられましたが、実は辛勝。膨大な戦費と犠牲者に対し、得るものの少なかった講和内容に怒った民衆によって日比谷焼討ち事件が発生したのです。

1935年、政争と絡めた天皇機関説事件が起こりました。「天皇を機関に譬えるとは何事か」と怒る一般民衆も多く、機関説の主唱者・美濃部達吉は貴族院議員辞職に追い込まれました。この時、当初美濃部に好意的だった新聞は民衆に煽られるように機関説排撃に進むのです。国民のファナティックな欲望とメディアの売らんかな主義の糾合がその後の破滅を招くとは、当時まだ誰も知りません。

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