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日めくり編集メモ 402

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立春を越え、旧正月も過ぎたというのに、寒気が日本列島を覆っています。春はもうすぐなのでしょうが、まだ寒さが居座っているこの頃。1977年のきょう2月17日には、沖縄の久米島で降雪を観測しました。

ここで降ったのは霙(みぞれ)ですが、観測的には雪に分類されるそうです。ゆえに日本での降雪南限といわれています。1999年12月に那覇市で雪のようなものが降ったところがビデオに撮影されましたが、沖縄気象台はこの時の気温が13.9度だったことなどから降雪を否定しています。ちなみに久米島のときの最低気温は6.7度でした。

また、琉球王朝の歴史書『球陽』をひもとくと、沖縄本島やその近隣の島での降雪の記録が6件も残っています。1774年に久米島で「細雨雪をまじえて降る」、1816年1月に伊平屋島と久米島で雪雹(せっぴょう)、1843年に本島南部で豆から小指大の雪、1845年に本島中部で雹、さらに1857年に本島南部で唐豆大の雪が降ったそうです。

近代観測による沖縄での唯一の降雪である久米島での降雪の際には、近くの浅瀬の海で魚が寒さで仮死状態になったこともあったとか。その翌年の同じ日には、北海道幌加内町母子里の北海道大学演習林で零下41.2度を記録し、これは日本の最低記録です。いずれにしても寒さはここが底。暖かい春はすぐそこまで来ています。
(参考資料:日直予報士木村健一「沖縄も雪の降ったことがあるのか」Tenki.jp上里隆史「南の島に雪が降る」目からウロコの琉球・沖縄史

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