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日めくり編集メモ 408

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国民一人一人に番号を割り振る「マイナンバー」法案を政府が閣議決定し、国会に提出しました。今国会中の成立を目指すとのことですが、問題点は山積しています。

「マイナンバー」は赤ちゃんからお年寄りまで全ての国民、さらに中長期在住の外国人や法人にも付けられます。この目的は手続きの簡略化と行政の効率化。社会保障制度は現在、制度ごとに違った番号が個人に付けられていますが、これが統合されます。年金、確定申告など納税、雇用保険、医療保険や福祉分野などでの手続きの利便性や不正の防止が謳われています。

しかし、このネット時代に、取り扱いが特に重要な個人情報を一元管理するシステム自体が危険です。社会保障番号のある米国では、なりすまし犯罪が絶えません。また、病歴や所得といった知られたくない個人情報が集められ分析されるのでは、といった不安は当然のことでしょう。何より、行政実務の現場では、番号をふったからといって全てが簡略化されるわけではありません。

このマイナンバーのシステム構築にかかる初期費用は2000億から3000億円。住民基本台帳ネット(住基ネット)の導入費用が約400億円でしたから、その5倍から7.5倍になります。さらにランニングコストとして毎年200億から300億円が新たに国民の負担となるのです。これだけの巨費を投じて構築しなければならないほど、私たちは役所から不便を被っているのでしょうか。
 (参考資料:「マイナンバー 導入は問題が多すぎる」中日新聞社説2013年3月2日付住民基本台帳ネットワークシステムの「費用対効果」に関する質問主意書/提出者:河村たかし

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