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日めくり編集メモ 414

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安倍内閣は、来る4月28日に「主権回復の日」記念式典を政府主催で開くことを決定しました。この日がサンフランシスコ講和条約が発効した日であるという理由からですが、同時に奄美・沖縄・小笠原が分離された日であることも忘れてはなりません。

1951年9月8日、米サンフランシスコのオペラハウスで開かれていた対日講和会議の最終日にこの条約は調印され、翌1952年4月28日に発効。しか し、同条約第3条によって北緯29度以南の奄美・沖縄・小笠原は米国の施政下に置かれました。トカラ列島以外の奄美は1953年、小笠原は1968年、沖縄は1972年まで復帰を待たなくてはなりませんでした。

殊に沖縄では、この日は「屈辱の日」とされてきました。沖縄にとっては「回復」どころか主権を喪失した日だったのですから。日本から切り離され、米国の高等弁務官が君臨し、その権力は絶大でした。銃剣とブルドーザーによって沖縄の要塞化は進められ、米兵による事件事故も多発。復帰後もその基本的構造は変わっていないのはご承知の通りです。

元外務省主任分析官の佐藤優さんは、沖縄への差別的政策について、「日本政府は、沖縄人を日本人に統合することに失敗したのである。それだから、沖縄に対する構造的差別が固定化されてしまったのだ」と分析しています。この「主権回復の日」問題は、安倍政権、ひいては日本政府が沖縄に対しての無理解をさらけ出した当然の帰結なのかも知れません。
 (参考資料:佐藤優「新帝国主義と『沖縄党』」東京新聞2013年1月4日付)

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