今月16日、東京・渋谷駅の再開発に伴い、東急東横線渋谷駅が地下に移って東京メトロ副都心線と直結しました。既存の渋谷駅に別れを告げ、記録に残そうと多くの人が詰め掛けましたが、これが全国ニュースとして放送されることに違和感を覚えました。85年もの地上駅の歴史を閉ざすことは大変なことですが、この路線を使わない他地域の人々にとってそれほど必要なニュースとは思えないのです。

東京都心では22日に桜が満開しました。この日、同時に満開宣言があったのは高知市と熊本市。九州や四国南部では満開となっているものの、大阪や名古屋を含めまだ開花かその前の場所も多いようです。しかし、これも東京の桜が咲いたことで浮かれるメディアは、例年よりも早いということもあって大騒ぎ。夕方のテレビニュースは桜満開を全国に伝えましたが、東京以外を考えているのでしょうか。

ここで連想してしまうのが、全国紙や通信社の世論調査による「TPP賛成多数」という報道です。しかし地方紙の論調は全く逆ですし、反対ないし慎重を決議している地方議会が多くを占めています。東京で第1次産業の現況を知ることはそんなに難しいのでしょうか。東京という情報の中心地にいると、周りの状態がどうであるかということに、知らず知らずのうちに目を配れなくなっているのかもしれません。