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日めくり編集メモ 431

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4月28日は、例年なら翌日の昭和の日から始まるゴールデンウィークを前に静かな日だったはずが、今年はかまびすしくなりました。安倍政権が「主権回復の日」政府式典を行うと発表して以来、沖縄などから異論が噴出しているからです。

1952年4月28日は、サンフランシスコ講和条約は発効の日です。安倍内閣はこの日を「主権回復の日」として、今年は政府主催の式典を開催しますが、沖縄・奄美・小笠原では日本の独立からは切り離されてしまった日でもあります。殊に沖縄では「屈辱の日」と呼ばれ、 現在まで続く米軍支配の源流となる日でもあるのです。そもそも、この日をもって日本は主権を回復したのでしょうか。

講和条約とともに結ばれた日米安保条約、さらにその後締結された日米地位協定によって、現在も米軍は我が物顔で居座り続けています。もちろん、講和条約締結なくしてはその後の沖縄などの返還もありえなかったとして、この日を評価する声もあります。しかし、今なお米国の軍事拠点であり続けている現状に配慮のかけらすら見えない政府に、沖縄は戸惑っているようにすら思えます。

宜野湾市海浜公園で「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」に抗議する沖縄大会が開催されるほか、県都である那覇市では、悲しみを表す紺色で市役所を飾り、名護市では、市役所に緑色の旗を飾るとともに「みんなで考えよう4・28」と書かれた懸垂幕を設置します。県内の人にはもちろんですが、この言葉は日本に住むすべての人に向けられていると考えなくてはなりません。

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