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日めくり編集メモ 438

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小学生の義理の娘に性的暴行を加えた男性の控訴審を、現在でも未成年の被害者が傍聴しました。性被害を訴える困難さに敢然と立ち向かう少女とその母親の勇気に敬服します。

2010年、沖縄本島内でその男は、一緒に暮らしていた小学生の義理の娘に暴行を加えました。明るくクラスの人気者だった少女は、学校へ行けなくなって家 に籠もるように。事実を知った母親は子どもを連れて離婚し、娘には「あなたは何も悪くない」と言い続けたのです。告訴しましたが警察の動きは遅く、少女への事情聴取が繰り返され、受理まで2カ月、さらに半年以上経ってから男は逮捕されました。

事件後に母親は、性暴力被害者をサポートし、被害後に医師、警察、弁護士らに1カ所で相談できる「ワンストップ支援センター」を沖縄県内につくろうと、実名を名乗り、奔走します。そこには、娘に対する母の思いと同時に、性的暴行の場合、何の落ち度もない被害者がなぜ身を隠すようにその後を生きていかなくてはならないのかという怒りがありました。彼女は言います。「婦女暴行は心の殺人だ」

告発で「家族を壊してしまった」と被害者が自責の念に駆られることもあるといいますが、被害者の少女に対して母親が「あなたは悪くない」と言い続けたからこそ2人は家庭内の性犯罪に立ち向かうことが出来たのでしょう。控訴審では 裁判長代読ですが意見陳述も行いました。しかし少女は未だにPTSDに苦しみ、1人で外出することも出来ないことを考えると、性犯罪のおぞましさに戦慄せざるを得ません。
(参考資料:「義父暴行事件 『犯人はうそばかりついている』 少女異例の傍聴」琉球新報2013年5月10日付)

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