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日めくり編集メモ 444

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東京都小平市の都道建設をめぐる住民投票は、投票率が成立要件とされた50%を超えなかったため不成立となりました。しかし、この最低投票率を課したことへの疑問があらためて広がっています。

小平市を南北に縦貫するように計画されている「小平都市計画道路3・2・8号」の可否をめぐり行われた住民投票は、成立後に市が課した最低投票率50%の壁によって不成立に終わりました。最終投票率は35.17%。投票したのは3分の1以上と考えるべきか、それとも4割にも満たなかったと考えるべきか、悩んでしまいます。

最低投票率を設けたことで、住民投票運動の勢いが殺がれたことは間違いありませんし、何より開票すらしないというのは、住民の「投票してもムダ」という気持ちが強まったのではないでしょうか。それでも、経験や組織のないネットワークが限られた時間内で周知に力を注いだ中でのこの投票率は、決して低いとは言えません。

とはいえ、やはり「政治へのあきらめ」を感じないわけでもありません。自分たちが暮らす地域や抱える問題を考え、どうあるべきかを投票することは必然的に時間と労力を費やします。だからこそ、その一票には重みがあるのです。「お任せ」で民主主義は達成できないことを、私たちはもう一度肝に銘じるべきではないでしょうか。

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