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日めくり編集メモ 452

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「戦争の中の子どもたち -第36回岡山戦災の記録と写真展-」が、7月7日まで岡山駅前の岡山シティミュージアム4階展示室で開かれています(月曜休館、入場無料)。

太平洋戦争末期、日本の市街地を対象とした大規模な空襲が米軍によって行われました。岡山市には1945年6月29日未明、138機のB29により約 883トンの焼夷弾が投下されました。不意打ちだったため空襲警報が出されず、被害は甚大となり、当時の市街地の約63%が焦土となり、少なくとも1737人以上の犠牲者が出ました。最近の研究では2000人を超えるという説もあります。

1978年から岡山市が毎年開催する「岡山戦災の記録と写真展」は今年で36回を数えます。岡山空襲の記憶を忘れることなく、未来へ受け継ぐための常設展示施設として「岡山空襲 展示室」が昨年10月に開設して初めての今年は、戦時中の岡山の子どもたちに焦点を当てた展覧会になりました。当時の子どもたちが描いた絵も、戦場など戦時下の空気が反映されたものが目立ちます。

物資不足の中、当時使われたランドセルや学用品、衣類も粗悪な代用品になっていきました。展示されている大日本海洋少年団の帽子や、軍艦の名の入った鉢巻が巻かれている幼稚園の帽子のように、将来兵士となるための教育がされていたのでしょう。きな臭い空気が漂い始めた現在、戦争への協力が子どもにすら求められた時代の遺品から、私たちは何を学び取るべきでしょうか。

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