米軍基地、復帰闘争、特徴的な民俗、豊かな自然…。横浜の日本新聞博物館で、「琉球新報創刊120年企画展 報道カメラマンが見た激動のOKINAWA42年」が開かれています。
この展覧会に展示されている写真を撮影したのは、琉球新報社の報道カメラマン・山城博明さん。山城さんは1949年、宮古島生まれ。大学時代に写真に出合い、1970年のコザ騒動などをカメラに収めました。卒業後、読売新聞西部本社に入社しますが、琉球新報社に移籍。2009年の定年退職後も引き続き、同社でカメラマンとして活躍しています。
復帰闘争をはじめとする沖縄の歴史や未だに撤去されない基地の現状のほか、失われゆく沖縄特有の習俗・文化、さらにはヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなどの貴重な動植物を、山城さんは学生時代から42年にわたって撮り続けてきました。タイトルに「激動の」とありますが、展示約200点のうち、約半数は文化、自然、動植物の写真です。
「表面だけを見ると沖縄は豊かになったように見える。でもヤマトでは当たり前のこと。広大な米軍基地は依然として残っている。何も変わっていないのです」と語る山城さん。一方、沖縄の自然、アジアの野鳥(中国野生のトキ、韓国、台湾、香港のクロツラヘラサギ)の撮影はライフワーク。64歳の現在も、カメラを手にあちこちを飛び回っているそうです。
(参考資料:山城博明ホームページ「天tenpau蛇」)
※ 7月13日と8月3日には、この写真展に関連して講演会が行われます。