参議院選挙も終盤を迎えていますが、自民党の県連がつくる地域版公約(ローカルマニフェスト)の中には党本部と明らかに異なる主張をしているものがあり、有権者を戸惑わせています。
自民党沖縄県連では、これまでの方針通り、米軍普天間基地の辺野古移設に反対し県外移設を求めるという独自の公約を、配布しているポイント集で明記しています。また、同福島県連では、県内原発の全基廃炉を掲げています。しかしどちらも、党本部の方針である辺野古移設や原発再稼働・輸出とはかけ離れた公約であると言わざるを得ません。
沖縄県連の方針について石破茂自民党幹事長は、「党本部と完全に真逆なものは認められない」 として認めていません。また福島県連については承認はしたものの、公示前の党首討論会で安倍首相は「各県連が主張しているのは要望のようなもの」という旨の発言をしています。とはいえ、地元ではこの公約に沿った運動が行われているはずです。
全国版と地域版で重要政策の公約を「使い分け」て選挙を戦い、その後は党本部の言い分が通るのでしょう。こういうことを普通は二枚舌というはずです。昨年暮れの総選挙で、自民党の多くの候補者は「TPP交渉参加反対」を掲げて戦いましたが、結果は参加に。しかし、だからといって責任をとって辞任や離党した当選議員を寡聞にして知りません。