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日めくり編集メモ 472

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民俗学者の宮本常一に師事したドキュメンタリー映像作家で民族文化映像研究所名誉所長の姫田忠義さんが7月29日、84歳で亡くなりました。

姫田さんは1928年神戸市生まれ。旧制中学時代に少年飛行兵に志願して三重県の海軍航空隊に入隊しましたが、戦地に行くことはなく、翌年敗戦を迎えました。沖仲仕をしながら旧兵庫県立神戸経済専門学校(現兵庫県立大学)を卒業した後、演劇を志して1954年上京、ある新聞記事を読み民俗学者の宮本常一の元へ。そこで「この人は俺の師匠だ」と思ったといいます。

姫田さんはフィールドワークに打ち込み、生身の人間をトータルに記録する1970年初の監督作品『山に生きるまつり』を発表。さまざまな土地で誰にも言えない思いを抱えて精いっぱい生きている人たちがたくさんいるという思いを抱えながら、1971年の『アイヌの結婚』、1977年の『椿山−−焼畑に生きる』。1984年の『越後奥三面−−山に生かされた日々』などの作品を発表しました。

人間が長い歴史の中で培ってきた生活技術に寄り添い、その記録映像は国内外から高い評価を受けました。1976年には民族文化映像研究所を設立し、2012年6月まで所長。むしろ海外での評価が高く、フランスと共同で『アマ・ルール−−大地の人 バスク』などの作品も。人類文化の大きな水脈として共通する「基層文化」を掘り起こす、貴重な資料を遺してこの世を去りました。

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