オール沖縄で反対している米軍普天間基地へのMV22オスプレイ配備。その声を無視して追加を強行したさなか、5日には宜野座村のキャンプハンセン内でヘリコプターHH60が墜落、炎上しました。
小欄で何度もお伝えしている高江のドキュメンタリー映画『標的の村』の監督を務めた琉球朝日放送ディレクター三上智恵さんの言葉が思い出されます。「沖縄にとってオスプレイというのは、少女暴行事件から数えて17年間、日本政府にだまされ続けてきた“象徴”なんです」。溜まりに溜まってきた県民の怒りは、オスプレイの危険性云々ではなく、日本政府の不作為に向けられています。
当初から強かった反対の声に配慮してか、人口密集地の上空を出来る限り飛ばない、基地外ではヘリモードにしない、などの飛行ルールを日米で合意したはずでしたが、県が318件の違反を指摘しても、日本政府は「確認できなかった」と無責任な回答。何のことはない、米軍に「運用上必要」と言われれば、何も言えないのです。こんなオスプレイを、誰が喜んで受け入れるというのでしょう。
この1月には県選出国会議員や全市町村長、全市町村議会議長、超党派の県議(代理出席を含む)ら約140人が上京して訴えても、馬耳東風の日本政府。今回の事故を受けて米海兵隊は、配備予定の12機のうち残り10機の追加を一時見合わせるとしていますが、このまま米国へ持ち帰れと思わずにはいられません。悲痛な沖縄の声は、なぜここまで無視されなくてはならないのでしょうか。