この土日、東京・新宿区立区民ギャラリーでちょっと変わった名前の展覧会が開かれます。その名も「反原発へのいやがらせの歴史展」。(10日は13時から17時、11日は10時から16時、入場無料)
日本の原発反対運動は、1986年4月のチェルノブイリ原発事故以降、活発になりました。1988年2月には、四国電力伊方原発の出力調整試験の反対運動 が空前の盛り上がりを見せ、同年4月には日比谷公園で2万人の集会が成功。1992年から翌年にかけては、あかつき丸によってフランスからのプルトニウム輸送が行われましたが、これに対しても、世界的な反対運動のネットワークが作られました。
一方、こうした動きに対する嫌がらせは1993年ころがピークで、2000年頃まで続きました。その内容は、原発反対運動に係わる個人の自宅や自宅周辺の写真を送りつけるなど、身辺への危害をほのめかす卑劣なものでした。この展覧会の主催者メンバーである海渡雄一弁護士らが1995年7月には日弁連に人権侵害救済の申し立てをしましたが、行為者不明ということで結論を出せませんでした。
海渡弁護士はこのように語っています。「原発再稼働、新増設への動きに対して反対の活動も活発になったとき、かつてと同じような目的で、ネットなどを使った、より巧妙な反対運動への攪乱工作が行われるのではないかと強い危惧を感じます。この展覧会 の目的は、このような活動を未然に防止するために、過去の嫌がらせの歴史を正確に多くの市民に知っていただきたいということです」
※ 両日とも14時から主催者メンバー(海渡雄一・弁護士、西尾漠・原子力資料情報室共同代表、西村トシ子・元動燃職員の妻)による展示についての説明、懇談があります。