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日めくり編集メモ 477

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「村八分」「裸のラリーズ」「ティアドロップス」などのバンドで活躍したロックミュージシャンの山口冨士夫さんが、不慮の事故に巻き込まれ64歳で亡くなりました。

山口さんは1949年、日本人の母と英国人の父との間に生まれました。中学卒業後、ビートルズやローリング・ストーンズに影響されて「ザ・モンスターズ」 というバンドを結成。初めてギターを持ったその日からビートルズやアニマルズをバリバリ弾いた才能に、自分でも驚いたといいます。バンド名を「ダイナマイツ」に改名して『トンネル天国』でデビュー。しかし当時はグループサウンズ全盛期、スタイルを嵌められたことに反発して1969年大晦日のステージで解散してしまいました。

「山口冨士夫グループ」「裸のラリーズ」を経て、1971年に盟友・チャー坊(柴田和志さん)とともに 「村八分」を結成しました。日本のローリング・ストーンズと呼ばれ、“伝説”とされるバンドですが、2年ほどの活動で解散。1974年、ソロアルバム 『ひまつぶし』発表後は「タンブリングス」「ティアドロップス」などいろいろなバンドを渡り歩き、2000年以降はライブハウスを中心に活動。体調を崩したこともありましたが、自身よりも若いバンドマン相手に精力的にライブ活動を続けていました。

先月14日、東京都福生市内の路上で山口さんは、米軍横田基地に勤務する軍属の米国人男性とその息子に突き飛ばされ、頭を打って一時意識不明になり入院していました。知人の女性が絡まれていると勘違いして暴行した息子は傷害容疑で逮捕され起訴されましたが、山口さんは怪我を負って1カ月の入院の末、14日あの世へ旅立ってしまいました。山口冨士夫さんの果たしてきた日本のロックシーンへの大きな影響を考えると、その死にあらためて愕然とせざるを得ません。
(参考資料:「ROCK FILE vol.5 1989」JICC出版局)

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