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日めくり編集メモ 278

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すでに開催されている「大友克洋GENGA展」や「江口寿史原画展[tone]」に続き、「『地上最大の手塚治虫』展」も。有名漫画家の展覧会が目白押しですが、目先を変えて時事的な一枚漫画の展覧会はいかがでしょうか。

横浜市の日本新聞博物館で28日から「一枚マンガの原発と新エネルギー展」が開かれています。昨年の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故を契機に活発化した、原発の是非や新エネルギーをめぐる議論。34人の漫画家・イラストレーターが「原発と新エネルギー」をテーマに、賛成か反対か、茶々か冷水か、取り上げ方は様々ですが、作品68点を描き下ろしました。

風刺の目は厳しく、先日亡くなった千葉督太郎さん描く髑髏のサンタクロースがひびの入った原子炉に虚ろに立っている絵は心胆寒からしめるものがあります。 また新エネルギーは、ゴム力で飛ぶ旅客機(鮎沢まことさん)などがありましたが、二階堂正宏さん描く、政治に対する国民の憤りをエネルギーに換えて発電す るシステムには唸りました。これなら確かに無尽蔵ですね。

ここで発表されているのは、コミックではなく、カトゥーン(ひとコマ漫画)。昨年小欄で取り上げたとおり、これだけ社会問題が山積しているのに、新聞漫画 が「絵解き」と化して、社会問題に真摯に向き合ったものがなぜこんなに減ったのか考えなくてはなりません。本来は媒体で発揮されるべき風刺性を、展覧会と いう形で見るというのは、何ともほろ苦いものですが…。

※「一枚マンガの原発と新エネルギー展」は7月1日(日)まで。期間中は関連イベントとして、漫画家によるシンポジウムや似顔絵教室、工作教室が開催されます。

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