MV22オスプレイの配備が完了した沖縄では、県民の怒りは増すばかり。何より、1990年代からあった配備計画を隠し、寸前になって受け入れを迫る日本政府の手法は、沖縄を愚弄するものです。
1992年、米軍は「普天間飛行場マスタープラン」を作成しました。ここには「オスプレイの配備に備え、普天間飛行場の北西部分は整備場・駐機場として確保する」と記されています。また、1996年12月に発表された日米特別行動委員会(SACO)最終報告でも、その草案段階でオスプレイ配備をいったん明記しながら最終的には文言を削除したことが、2007年に報道されています。
しかし、日本政府は「現時点では具体的な予定はない」と計画を隠し、正式に配備を認めてきませんでした。これでは話のしようがありません。2011年6月、米国防総省は普天間配備を正式に発表し、これを受けた沖縄県はオスプレイに関する100以上の質問を防衛省に提出しますが、内容の精査中も含め回答を得たと県が認めるのは僅か12。答えようという意思さえないのでしょうか。
政府が配備が必要と考えるならば、説明を尽くすのは当然でしょう。その怠慢は責められてしかるべきです。計画を隠蔽し、突然発表して混乱を起こし、既成事実を積み重ね、なし崩しに進めていく…。この構図は、高江のヘリパッドなど他の基地問題や原発建設などにも当てはまります。オスプレイは市街地上空をヘリモードで飛ぶなど、安全策の日米合意は早くも反故にされています。
(参考資料:検証 動かぬ基地vol.107「オスプレイ配備 マスタープランの裏側」琉球朝日放送ホームページ、内間健友「政府の揺さぶり、もはや沖縄に通用せず」「週刊金曜日」2012年10月5日号)