安倍晋三首相夫人・昭恵さんが「私は原発反対。原発の売り込みに心が痛む」と語ったことが話題になっていますが、作為的なものを感じるのは筆者だけでしょうか。
昭恵さんが6日の国会内での講演の中で、「私は原発反対だ。(首相が)外に行って原発を売り込んでいるのに心が痛む」と語っていた、と報じられました。この発言を好意的に受け止める人も少なくありません。民主党の原口一博・元総務相も自身のツイッターで「首相は、良いパートナーに恵まれておられると思います」と称えています。
しかし、参議院選挙を直前に控えたこのタイミングでの発言に疑問の声も上がっています。原発の再稼働や輸出に前のめりになる安倍政権の政策に、この発言が反映されるわけではありますまい。ということは昭恵さんの個人的感想でしかないわけで、首相の手法を中和し、脱原発寄りの浮動層を狙ったパフォーマンスとしか思えません。
先日の小欄で、昨年12月の総選挙時に「TPP反対、比例区は自民党」という内容のポスターが貼られていた北海道十勝地方では、それを反故にして参加表明した自民党への怒りは根強い、という話をしました。選挙前になると気を引く数々の言葉や動きが提示されますが、その裏側に何があるのか、私たち有権者の鑑識眼が問われます。