小欄でもたびたびお伝えしている、沖縄・高江の米軍ヘリパッド問題ですが、11月15日、沖縄防衛局(沖防)はおよそ8カ月ぶりに設置工事を突然再開しました。
新聞などによると、地元住民たち約40人がゲート前で座り込み、重機を搬入しようとする沖防職員や作業員らとにらみ合いを続けたとのこと。翌16日に職員らは来なかったようですが、予断を許しません。この問題で国は、座り込みの反対運動を起こした地域住民を逆に通行妨害だとしてスラップ(SLAPP)訴訟を起こし、現在那覇地裁で審理中です。
高江のヘリパッドについて、仲井眞弘多県知事は今年2月の県議会で推進を表明しています。しかし、米軍の輸送機である「オスプレイ」の配備は県全体で反対しているのですから、この工事を認めていることとは矛盾しないのでしょうか。このヘリパッドが完成すれば、ヘリコプターでなく、さらに危険なオスプレイがここに配備されることは明白です。
環境アセスメントも不十分で、その専門家である元沖縄大学学長の桜井国俊さんからは「これは環境アセスとはいえない」と断じられています。繰り返しますが、この問題は裁判中です。沖縄市泡瀬埋め立ても同じように、裁判中にもかかわらず工事が再開されました。既成事実を積み上げ、「出来てしまったものは仕方がない」と言いたいのでしょうか。
(参考資料:やんばる東村 高江の現状、琉球新報、沖縄タイムス)
※過去に高江ヘリパッド問題について「マガジン9」「マガ9editor's room」でとりあげた記事は以下の通りです。